2018年6月12日火曜日

NIKKOR 58mm/F1.4Gの使い方

最近写真しか撮ってない、仕事しろなkushiiiでっす。
お仕事も写真撮影関係に全力でシフト中なので仕事してないこともないか。。

あ、そんなこんなで例のレンズを買ってはや半年とちょいが過ぎました。
そんな生活の中、レギュラー入りして手放せなくなった人物撮影用レンズについて
魅力と使い方を語りたくなったのでここで好き勝手に書きますよ、と。

さて、やっぱり人物撮影をするなら被写体を強調できるボケ味の大きいレンズが
必要になってくるわけでここで紹介するのはNIKKOR58mmF1.4G
ニコンが世に放ったポートレート向けの定番ハイエンドレンズになった製品
このレンズはある特性のため新製品にもかかわらずかなりのクセ玉と言われている。

その特徴を詳しすぎるくらい書かているのが以下の記事

インタビュー:ニコンが考える“レンズの味”とは? - デジカメ Watch Watch
https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/interview/621449.html

三次元的ハイファイとは:
"ピントの合ったところから、なだらかに徐々にボケていく、輪郭がとけるようにスーッと消え、ボケの中にも深度があって何がボケているのかがわかるボケが得られる、そんなボケ味まで考慮されたレンズが高く評価される評価方法でなければならないと考えています。"
最近はオリンパスでもその収差を意識した綺麗なボケが出るレンズというものを
開発しているようで、こっちもボケに定評がある。

製品特長 M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO | 交換レンズ M.ZUIKO PRO |  https://olympus-imaging.jp/product/dslr/mlens/45_12pro/feature.html

"ボケを収差レベルで測定し、球面収差曲線を最適にコントロールすることで、開放F1.2の「美しくにじむボケ」と解像力を高次元で両立しました。"

いずれも収差測定器を用いていろんな観点で良好なボケが
どのようなパラメーターで得られるのか、わかるようになってきたことが大きいらしい。
ベテランの勘、通称勘ピューター(死語)要らずである笑。

さて、撮影距離によってボケ具合が変わってくると書かれているが
至近端では残存収差の癖が強すぎて絞り込まないとピント面が消失するほど
写らなくなることもあるようだ。

1. 至近:至近端0.58m-0.9mちょいくらいまでの話

このレンズ扱う上で一番注意しないといけないのがこの領域で
人物ポートレート用途でもF2.0以上に絞って撮っていく必要すらある。
絞り開放ではピント面が消えるので実質使えなーい、訳あり距離。

F1.8でもギリギリ...ブレは無いはずなのだがあまりピント面の解像感はない。
DSC01035

同じような近接、F2.0で解像感が少し戻ってくる。
DSC05313_1

至近端あたりで撮影したいのなら近づけば近づくほどまともな解像度が出にくくなり
至近端ギリギリではF2.8まで絞らないとまともに撮れないことが世間の経験則らしい。
ここがこのレンズの泣き所で実質2段絞らないと現代的な他のレンズとは
いろいろ見劣りするところであり開放F1.4が活かせない泣き所になっている。


一方で中距離はこの製品の真価が発揮される距離
至近に近づいたり、被写体から離れたりすると解像力がコロコロ変わるので
中距離と言えど気がついたら絞りを1/3段レベルで絞ったり開いたりしてあげると
ムラがだいぶ無くなる。面倒だったらF1.8にしちゃえって感じはあるけど笑。

2. 中距離:だいたい1.2mから3mあたりまでの話
バストアップ+αで離れてくるとちょうどこの辺の距離になるので
ほどよく被写体が入りつつ周りの背景も程よくボケさせたり残したりできる。
このレンズの真価を発揮する距離だ。

以前も掲載したが、すけこむさんという方が書いていてF2.0を基本にしてもっと暈すか絞るかちょこちょこ変化するのがこの距離という話、自分ならボケ優先でF1.4 F1.6 F1.8を表現意図で変えながら使っちゃう。

単焦点レンズ58mm f/1.4Gでポートレートを撮影することの魅力と魔力 | すけこむブログ
https://blog.sukecom.net/2017/02/02/66/

クセの強い絞り開放、とろけるようなボケ、扱いやすい軽さ、ごく普通のAF。これ1本でなんでも撮れる便利なレンズではありません。ですが、ポートレートを撮影するニコンユーザーであれば、一度は使ってみる価値があるレンズ。
と申していて、ただただその通りだと思う(笑

DSC08479

DSC02459

DSC02749


3. 遠距離:だいたい5m以降の話


【登山カメラ道具】遠景バキバキ解像度のAF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gを登山で使い倒したのでレビューしてみる - Red sugar

じゃあ単にボケボケがこのレンズの特徴かよ!って結論になりそうなのだが
ここでまた興味深い話が風景カメラマンの方から出てきている。
最初に紹介したインタビューで話されていることだが
遠距離になるほど点像再現性に優れた写りに設計されているという話。
つまり急激に収差を除去しボケボケレンズが近代レンズのように解像する特徴がある。
これは開放時F1.4も例外ではなくピントを遠景に持ってきた途端
夜景でもよく映る!映る!!一つの製品で二つ美味しい、いやそれ以上か。。

あれ、ロクなサンプルがないぞ...

DSC00296

DSC00299

ってことで....

こんなレンズなのに小型軽量なのは執拗なまでに収差を消す現代の設計に一歩踏み込み
収差残し味つけ良くコントロールするという発想で設計されているおかげだろう。
開放時の周辺光量落ちも近年のレンズより暗いが推測するにF1.6-1.8程度のイメージサークルで作っているんじゃないかと思う。APS-C用レンズをフルサイズボディにつなげて覗いてみるとわかると特に単焦点なら意外と真っ黒な影は四隅から顔を出さないことがわかる。こうするとF1.4未満のレンズをF1.4として使えるのでスペックの割には小型になるし、もちろん開放時の周辺光量落ちもレンズの味として楽しめる*1ので個人的にはウェルカムである。

(*1近代的なレンズほど開放時に目立つほど落ちないように余裕を持った前玉設計がされていたりするのはいいけどちょっと重くない?って思うことが多くなったのが残念なところ、バランスも大事よね)

高画質単焦点標準レンズは収差の除去のためにレンズをガンガン入れすぎて、ほとんど1kgに近い重量になっていることを考えると、この製品の385gは破格の軽さ*2で常用したくなるのが人情である。

(*2 ボディと合わせて結局1kgは超えてるが...そこはツッコまないで欲しい)

オールマイティではないがここまで撮影距離によって写りが変わるレンズは無く
気をつけて使いこなせば軽さと写りは大きな武器になるので末永く愛用していきたい

と思う次第で以上、大好きなレンズNIKKOR58mmでした!!

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